全国で初めて硫化水素ガスを発生させて自殺した人を被疑者死亡のまま書類送検したとのニュースがあった。硫化水素ガスによって他の人を危険にさらしてしまう可能性が高いからだ。
自殺を図る気持ちは痛いほどよくわかる。この私も何度となく自殺しようとした経験がある。一番最初はまだ小学生の時で、手首を切ったうえに感電するという方法だったのは今でもハッキリと覚えている。
幸か不幸か電気に強いらしく、家庭のAC100Vくらいではビリビリした感触はあってもずっと触れていられるくらいなのだ。AC200Vくらいになるとやっと痛いなと感じるのでさすがにずっと触れているのは遠慮したい。
他の自殺方法で思い出すのは睡眠薬の多量摂取、飛び降り、溺れる、などをやったことだろうか。でもそのどれもが成功しなかったようにこうやって生きている。いや、生かされているというのが正しいだろう。
実は先日、ある知人から携帯にメールが届いた。
その内容は、
「○○○○○と△△△△△を買ってきたから今から死ぬ」
というものだった。
私はこのメールに対し、
「あなたが納得できるようにしなさい」
「ただし他の人に迷惑をかけることだけはやめなさい」
と返事をした。
しばらくしてメールの主からまたメールが届いた。
「どうしたらいいの?」
たったそれだけの短いものだった。
だから私は、
「他の人に迷惑をかけずに死ぬことはできないよ」
とだけ返事をした。
そのあと、メールは返ってきていない。
私が伝えたかったのは、死ぬことは簡単かもしれない。でも、死んで迷惑をかけるくらいなら、生きて迷惑をかけなさいということだ。
たとえ相手をどんなに苦しめることになったとしても、受け止めてくれる相手がいるのなら迷惑をかけてもよいと思うのだ。
迷惑をかけることがダメだなんてことは考えなくてよいし、それを悪いことだと反省する必要もない。ただ、迷惑をかけても受け止めてくれる相手がいることを感謝していればよいのだ。
私は以前、ある女性と偶然にブログで知り合いになった。
その女性はとても苦しんでおり、どうにかして助けたいと思った。名前も知らなければ住んでいる所も知らないのに、とにかく放っておくことができなかった。
私が経験した苦しみと、その女性が苦しんでいるものは似ている部分もあったし、全く違う部分もあった。ひとつだけハッキリしているのはお互いに苦しみの経験があるということだけ。
最初は冷静な判断の中でやり取りができた。だが、その女性のことが娘や妹、または恋人のように感じてしまった時、私の中ですごく苦しくなってしまったことを覚えている。
正直に言うと、今でも苦しいのかもしれない。
でも、どんなに苦しくなろうとも、その女性が生きようとする力と、幸せになれることをずっといつまでも信じようと心の中で誓ったことを忘れない。
私には、その女性を信じることしかできないと思ったからだ。そして今でもずっと、その気持ちは少しも変わらない。
私になにか特別なことができるわけではない。ただ信じるという、なんの力にもならないようなことしかできないのが現実だ。
私にその女性を受け止めることができるのかというと、それは私自身にもわからないし、そもそも私が必要なのかさえわからない。いや、きっと必要でもなんでもないだろう。世の中とはそんなものだ。
今年の二月、その女性と再会した。
以前とは違った苦しみの中にその女性はいた。
私になにもできないのは再会する前からわかっていた。
だから、私の苦しみが悟られないように明るく振る舞うのがやっとだった。
でも、そんな私の振る舞いなんか簡単に見破られていたことだろう。
私は今でもその女性を信じているし、これからも信じ続けることだろう。
受け止めるということが出来るのかというとそんな自信はない。
ただ、どんな小さなことでも必要とされるなにかがあればきちんと向き合っていこうということだけは言える。
そのためには、私自身がしっかりと強く生きていなければいけない。
このブログを始めたのも、そのとても大切な女性に私がなんとか頑張って生きていることをいつでも知ってもらえるようにという気持ちからなのだ。
ニュースの自殺者の話に戻るが、
死んで迷惑をかけるくらいなら、生きて迷惑をかけなさい。
どんな自殺方法をとったとしても、死んでしまえば、生きて迷惑をかけるより何倍も何十倍も、いや、もっと大きな迷惑をかけてしまう。
死んだ者はそれで苦しみから開放されるのかもしれないが、残された者はそれ以上の苦しみを背負っていくことになるのだ。
自殺をしようとする者に残された者のことを考える余裕がないのは私にもわかる。
だが、さんざん迷惑をかけてしまったことも私にはわかる。
どちらもわかるからこそ、私は生きて迷惑をかけることを選んだ。
きっと、とても多くの人にとても多くの迷惑をかけているのだろうが...
追記
メールの知人は数年前に癌の摘出手術をしており、今年になって転移がみられたとのことだ。
私が医師であれば知人にとって少しは力になってあげられるのかもしれないが、残念なことに私は医師でもなく、どうすればよいかもわからない一般人でしかない。
今はただ、知人の癌が消滅し元気になってくれることを願うだけである。
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